ブルースについてざっくばらんに。
名古屋駅前ボイトレ&ギタースクール F studio代表、ギター講師、演奏家の古田竜之介です!
本日はエリッククラプトンをはじめとする、白人ミュージシャンののブルース演奏について。
(今回音楽のジャンル分けとしてわかりやすいよう、あえて白人ミュージシャン、黒人ミュージシャンという単語を使って文章を作っていますが、決して人種に対する他意があるわけではないことを先にお伝えしておきます。)
ブルース好きの方の中でたまに持ち上がるこの話題。
「クラプトンのギターはブルースじゃない!」こんな感じのもの。
これ、要するにロバート・ジョンソンからはじまるアフリカンアメリカン、黒人ブルースミュージシャンのブルースがいちばんで、白人ミュージシャンはそれを真似しているだけ!みたいな言われ方をすることが多いです。
もしこの話題になった時には、まず僕はその場からスッといなくなります。なぜなら、その場に白人ミュージシャンのブルースが好きな方がいらっしゃった場合、僕もその人の好みをくさすような加害者になってしまうから。
まずそこなんですよね。音楽に優劣があるかのような論調は、僕はあまり好きではないので…。エリッククラプトンのブルース演奏が一番好き!と思われている方がその場にいるかも知れないのに、さもエリッククラプトンを否定するような話題には絶対に入りたくない!というのが僕の基本スタンスです。
みなさまそれぞれ好きな音楽があって、その音楽を聴いて人生を豊かに過ごしておられる、その優しい楽しい世界を大切に大切に守らなきゃいけない。音楽ってのは本当に儚くて脆いものだと思うので、本当に大切に、真心を込めて、色んなことを想像しながら、ちゃんとコミュニティやコミューニケーションを考えて、丁重に扱わなければいけない。だからブルースに限らず、人の前で特定の音楽の否定は絶対にしません。ミュージシャンとして、僕がすごく大切にしているところです。好き嫌いはもちろんあって良いと思いますが、否定的な言葉を人の前、公の前で口に出すことは絶対にしたくない!僕はね!というかんじです。
さて、ここまでが前置き。実際白人ミュージシャンのブルースについてなぜよく議論に出されるのか、少し深掘りしたいと思います。ブルースの歴史!とかやってると少し退屈になるので、白人ミュージシャンがブルースにどう関わっていったのか。というところについて。例えば、先ほどから話題にしているエリッククラプトン。彼はロバートジョンソン、B.B.Kingやバディガイといった、ブルース界の、黒人レジェンドミュージシャンに憧れて、彼らの演奏をたくさんコピーして、そんなふうに出来上がったギター演奏を世に発しています。他に有名なのはローリング・ストーンズ。彼らの根底には、黒人ミュージシャンへのリスペクトが多大にあることは、もうバンドの名前からわかります。マディ・ウォーターズというレジェンドミュージシャンが出した、ローリングストーンという曲。それが彼らのバンド名の由来なのですから。1960〜1970年当時では、そういったブルースが大好きな白人ミュージシャンが、イギリス、という地でかなり増えていった!!そしてロックンロールとして、アメリカをはじめ、世界中にめちゃくちゃ売れていった。そして、黒人ミュージシャンのブルースは、ロックンロールで売れたエリッククラプトンやローリングストーンズ、その他のロックンローラーたちが布教したおかげでビジネス的に盛り返した。ちょっと雑ですけれど、まあこんな感じの歴史があったりします。 だから、白人ミュージシャンのブルースというのは、黒人ミュージシャンのブルースよりもう少しポップで明快なかんじです。演奏方法やリズムの雰囲気、グルーヴともいいますが、そういうものが元祖のブルースとはやっぱり少し違うのも確かです。だからロックンロール的なブルースが苦手な方がいらっしゃるのも、理解はできる!否定しちゃあかんと思いますけれどね!ただ!ここでおひとり、すっごいブルースを演奏する白人ミュージシャンをご紹介!!Jimmie Vaughan氏!!有名なスーパーギタリスト、スティーヴィーレイヴォーンのお兄さんです。スティーヴィーは圧巻のテクニックと類稀なセンスで一度聴くとすげえーーー!ってなりますが、Jimmie Vaughan(ジミー・ヴォーン)は逆に結構地味。でも!なんだかすっごいブラックな感じなのです!!いわゆる元祖ブルース。まじかっこいい!!若手ブルースギタリストであり、シンガーソングライターのGary Clark jr.の師匠的存在としても有名ですね。めちゃくちゃ好きなミュージシャンです。見た目はエルヴィス・プレスリー、演奏は黒人のベテランミュージシャン。このギャップがすっごい好き。お弟子さんのGary Clark jr.も大好きなんです!そしておふたりとも、マジックサムというレジェンドブルースミュージシャンの影響を受けてる節がある。マジックサムも大好き!!いろいろ名前を出してしまって混乱させてしまったかもしれません。すみません!とりあえず、一度ジミーヴォーンの演奏を聴いてみて!!っていう記事でした。
最後に、僕の最近のブルース演奏です。
【ブルースギター】後半ジャジーなT-ボーン・ウォーカー。〜I respect T-Bone Walker.〜