入院生活で取り組んだこと①
2019年 3月21日
本格的に病室でギターを持ったリハビリを始める。
個室ではなく大部屋なので、大きな音は出せませんが、そのために生音の小さいストラトを持って行ったのでリハビリには十分でした。
なるべく脱力して運指ができるフォームを模索。
(MP関節の可動を意識、今までの自分のプレイを観察して変えるべきところを探す作業。)
昔の自分の演奏動画を見返すと、
自分はブルースあがりのギタリストなので、
ソロの時は自然と親指をネックから出して握り込む
スタイルで弾いていて、
↓
指を広げなければ弾けないフレーズは
自然と親指をネックの後ろに添えるクラシックギタースタイルになり、
↓
また親指をネックから出して握り込むスタイルに戻っていくという感じだったので、
変にフォームを変えるというより、
ハートフルギター教室の推奨する運指メカニズムを取り込み、
力まずMP関節(第3関節)を動かして運指をするという一点の意識を持ってリハビリをしました。
先述した左手の親指の位置というのは主張が千差万別で、皆さんそれぞれこうであるべきということを
それまでよく言われてきましたが、
正直どちらでもいいんだと思いました。
気をつけるべきなのは、
MP関節(第3関節)を使用して運指すること、
弾いている時の短小指屈筋にどれほど力が入っているかを意識すること
が大事かなと思いました。
(筋肉や関節に関する医学書を素人目で読んで、自分なりに試行錯誤した結果です。)
ベーシストは否が応でも
親指をネックの後ろに添える
クラシックフォームスタイルで弾かなければならいけないフレーズが多いので、
とても好きなエレキベーシスト、Abraham Raborielのフォームはどんなだろう、
ジャコパスやビリーシーンはどんな弾き方をしているんだろうなどとエレキベーシストの運指も色々見ていました。
Abraham Raborielの場合真骨頂は、右手から繰り出されるグルービーで多彩なリズムだと思いますが、改めて左手を見ているとやはりリラックスしているんですよね、、
長年第一線でフロントミュージシャンを唸らせてきたベーシストは、体の使い方もよく知っていますね…
(余談ですが、
かの有名なギタリスト、ラリーカールトンの名盤、“夜の彷徨い“は、彼のベースプレイなしでは完成しなかったそうです。)
ただ、こういうことを考えすぎて
ストレスを自分にかけて練習し、
自分を追い詰めるような訓練をした結果
今回の病気にかかったことを思い出し、
もう少し気楽になろうと思い直したりしました。
私の場合のフォーカルジストニアになっていた症状を専門的に言うと、
小指のPIP関節(第二関節)が意識せずに曲がり、
そのまま硬直、
薬指も小指につられてPIP関節が曲がってしまい
手のひらに指腹がくっついた状態で硬直という状況。
つまり、自分は小指のPIP関節(第2関節)を酷使しすぎていたということです。
PIP関節を主に使って運指するという、手への負担が大きく、早弾きなどをする上でも非効率的な運動をしていたということになります。
これは、ギターの運指の時に、
弾く指をなるべく指板から離さず、
最小限の動きで押弦するというメソッドから生まれたものだと思います。
指をばたつかせてはダメ!というメソッド。
よく教本にも書いてありますが、個人的に
この教え方は危険だなと思います。
バタつかせていいんです。
これは私がフォーカルジストニアになり、手術をしてリハビリをしていく上で気づいたことと、
色んな著名なギタリストの運指を見てきた経験則によるものです。
教則本に書いてあることや、
音楽学校などで習うことを
分かりやすく噛み砕かず、
そのまま専門用語バリバリで
ただ弾いてみせて教えるスタイルのメソッドは、時々安直で、危険だなと思うものがあります。
これは運指の話だけでなく。
(あくまで私の個人的な意見であり、しっかりした教本や教え方をしておられる講師もたくさんおられます!)
ちなみに、
今YouTubeのギターレッスン動画で名前をよく見る若いギター講師の方々は、
本当にしっかり勉強されていて、求心力が豊富で、
アウトプットの仕方もとても上手く、
それまでの常識に囚われない実践的かつ効果的なレッスンを行っておられるなあと思います。
私も今ギター演奏者として自分が己に課している課題をクリアしたら、色々レッスン動画をyoutubeにあげようと思っています。
この日に点滴も抜けて一安心。
点滴がとても苦手なので笑
すこし個人的意見の多い文章になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!