【苦悩】定位脳手術から3年。
今日は久しぶりに、演奏ができなくなる脳疾患であるフォーカルジストニアと、
それを緩和させる定位脳手術、その後遺症についてのお話です。
まずフォーカルジストニアになった時の僕の症状と定位脳手術について、おさらいとして書きます。
・演奏する時のみ、無意識に左手の小指と薬指が手のひらにくっつくまで曲がり、そこから硬直して動かなくなる。
・当然演奏はできない。
・定位脳手術によってその症状を起こしている脳の一部分を焼いてしまい、症状が出ない様にする。
埼玉で手術を受けてから、3年経ちました。
この病気や手術について情報を探している方々に向けて、一番知りたいだろうなっていうことを書いていきます。
●手術で症状は治ったのか。
結論から。症状はかなりちゃんと治りました。
もちろん完全にとはいきませんが、指が
「意思と反する動きをする」という症状についてはかなり緩和はされたと思います。
●手術の後遺症はどの程度まで残っているのか。
後遺症については正直ガッツリ残っています。
歩行障害や距離感覚麻痺は大分緩和されましたし、
左手の握力は、筋力トレーニングによってカバーしてある為、ましになりました。
ただ、相変わらず左手(手術した側の手です)の
感覚は戻りません。
指は思う様に動かず、リハビリと試行錯誤の毎日。
僕はかなり症状が進んでいて、
病状が重かった為に余計戻りにくいのかもしれません。
●手術は受けるべきか。
まだ迷っている時点では、受けないことを勧めます。
僕はありとあらゆる方法を、病気になって2年ほど試して、本当に打つ手がなくなったので最終手段として定位脳手術を受けました。
手術をうけなくても病気と付き合いながら活動ができる人もいます。
はじめから手術を受けるのは得策ではないかと思います。
●手術前はどんなことを試したか?
あんまマッサージ、電気マッサージ、鍼治療、
矯正ギプス使用、アレキサンダーテクニーク、
瞑想トレーニング、別の楽器演奏、
左利きへの転身。
効き目なし。
●手術後はどんなリハビリをしたか?
・左半身不自由という状態なので、リハビリ施設で
他の半身不随の方々と同じリハビリを実施。
・身体構造を勉強した上での演奏フォーム改善。
・ゆっくり指の動きを確かめる様に演奏しながらの
リハビリ。
・動きにとらわれず、出ている音に集中する演奏の心がけ。
・自分の手に少しでも合う楽器の買い替え。
・コウケントー(遠赤外線治療)。
・根本的な食生活の見直し。
・アルコールとカフェインを断つ。
・ランニングと筋力トレーニング。
●これまでの経験で分かった大切なこと。
・単なる脳疾患と思わず、
自分の身体とメンタルを根本から整えていくこと。
・このような病気になった以上、人より倍以上
脳や身体、分泌ホルモンなどの知識が必要。
・かなり重度の症状持ちだったので、まずは今プロとして食べていけていることに感謝すること。
・当然思う様な演奏ができず周りから批判の声も上がることもあるが、仕方ないと思うこと。
・絶対に焦らないこと。
・諦めずにできることを探すこと。
・この病気と手術後遺症を乗り越えることができると思いこむこと。
・ちゃんと休むこと。
この病気と闘っていて一番怖いのは、
ストレスによる他の病気の併発です。
例えば突発性難聴。
フォーカルジストニアにかかっても音楽を奏でる方法はいくらでもあります。
ただし、耳がやられてしまうとかなり厳しい。
今フォーカルジストニア、定位脳手術の後遺症と闘っておられる皆さま、僕もそうですが、
ご無理なさらず、今自分ができることをゆっくりと考え、焦らず行動していきましょう!